知らないと危ない。3つのファクタリング関連の法律

ファクタリングというのは16世紀のイギリスではじまり、今でも世界中で利用されているきわめて合理的で、電子取引にも相性のいい現代的な金融取引です。

そのファクタリングにおける法律関連の問題についてお伝えさせていただきます。

その1 民法の債権譲渡との違い

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ファクタリングは、クライアントが売掛債権を譲渡することから始まります。その場合、民法・商法の規定する一般的いわれる譲渡とは異なる2つの特殊性があります。

 

一つは民法での債権譲渡は個別の譲渡、つまり個々の取引に関する個別の譲渡ですが、ファクタリングは取引先が顧客に対して有している複数、多数の債権の一括譲渡です。その理由は個別ですとリスクが分散されず、ファクタリング会社に負担がかかります。そしてファクタリングというのはこれから継続する将来債権を対象にしているからです。

 

二つ目は、ファクタリングは現在発生している債権だけではなく、これから発生する債権も対象になります。ここでいう将来債権の譲渡は債権の事前譲渡と同じ意味で債権が発生したと同時に所有権が移転することになります。これは将来発生するキャッシュフローも前払い金融の対象となるという意味では資金調達の幅を広げてくれます。これにより二重譲渡のリスクも回避しています。

 

将来債権の譲渡契約の有効性については、最高裁にてこんな判例があります。

保険診療する医師の社会保険診療報酬支払基金に対する債権の譲渡が問題とされた事案で、「債権の発生可能性の多寡でこの種の契約の有効性が左右されるものではない」と明言されています。複数年の長期にわたる将来債権譲渡契約の有効性をみとめました。(平成11年1月29日判決)

 

その2 債権の二重譲渡の問題

二重譲渡とは債権譲渡の契約があるにもかかわらず、その債権を担保に融資を受けたりしてしまうことです。これによりファクタリング会社は代金回収の権利を失うというリスクが生まれます。債権譲渡登記制度などにより、法的に権利を確保する必要があります。確定日付を決めて一定期間を包括的に譲渡契約を結ぶのはこのためです。

 

その3 譲渡禁止特約

公的機関や古い取引の契約書の中には売掛債権の譲渡禁止特約が含まれていることがあります。これに従えば、ファクタリングなどの売掛債権を譲渡する金融手法は使えないことになりますが、これは複数の取り立てから債務者を守るためのものであり、3者間契約によって債務者が納得した場合は特約を外すこともあります。

診療報酬債権などはこのような特約はなく、3者間の契約にて取引が出来ます。

 

ファクタリングを利用すべき人と利用してはいけない人

矛盾しているかもしれませんが、ファクタリングを利用してはいけない人とは資金繰りに苦しんでいる人です。資金繰りに苦しんでいるということは、本業の儲けが固定費を超えていないか、無駄な固定費を減らすことが出来ずに売り上げ増で解決しようとしているということです。

 

このような企業が借入やファクタリングを行うと、永遠に苦しむことになります。慢性的な赤字はどのような形で資金を入れても、どうにもならないということです。

 

まず、最初にすべきことは単月の黒字を確保するために固定費を含めた支出を減らし、売り上げが入れば現金が残る体制にすることです。

そうでなければ資金を入れても、ただ消えていき何も変わりません。売り上げが入れば黒字になるが、回収期間の間が従業員の給料が払えないとか、仕入れの代金が払えないとか、そのような状況であればファクタリングは有効な手段です。

しかし、本来利用すべき人はしっかりと黒字を出している企業のキャッシュフロー経営の為です。節税して資産構築するためです。または、税金を払うとお金が無くなり貯められないとか、黒字のはずなのにお金が残らないといった企業です。

 

まとめ

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ファクタリングと融資を混同していると債権譲渡に関する法律は理解がしにくいかもしれませんが、ファクタリングとは権利の譲渡や買取の方法であり、その特性をよく理解すれば、資産構築に大いに役立つことになります。

 

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