流動資産担保融資制度を知る13のポイント

決算書上は黒字なのになぜかお金がない。中小企業の財務状況にはよくある話です。不動産以外にも売掛債権や棚卸資産は担保になります。売掛債権や棚卸資産は担保にして融資を受ける流動資産担保融資保証(ABL保証)についてみていきましょう。

ポイント1 流動資産担保融資保証(ABL保証)とは

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売掛債権または棚卸資産を担保とする保証制度です。信用保証協会が金融機関との間に入り、売掛債権や棚卸資産の信用保証をしてくれることで、融資を受けられる制度です。

 

ポイント2 ご利用いただけるかた

事業者に対する売掛債権または棚卸資産を有する方になります。

(棚卸資産を担保とする場合は、法人に限ります。)

BtoBの取引を掛売りでされている企業や病院・クリニックなどの保険請求を支払い機関を通じて受け取っている方、流通業などの製品の在庫をお持ちの方や工場などの原材料をお持ちのかたなどです。

 

ポイント3 保証金額の限度

2億円~2億5000万円(保証割合は借入金額の80%です。)

※上記は目安(一例)です。詳細は各保証協会に直接確認してください。

 

ポイント4 保証期間の限度

根保証  1年

個別保証 6ヶ月

※上記は目安(一例)です。詳細は各保証協会に直接確認してください。

 

ポイント5 信用保証料率

年0.68%(責任共有保証料率)

※上記は目安(一例)です。詳細は各保証協会に直接確認してください。

 

ポイント6 貸付利率

金融機関所定利率によります。詳しくは保証協会または流動資産担保融資保証(ABL保証)の取り扱いのある金融機関に直接お問い合わせください。

 

ポイント7 連帯保証人

個人 要しない

法人 代表者

 

ポイント8 担保

本件にかかる売掛債権または棚卸資産

(個別保証は売掛債権のみが対象です。)

 

ポイント9 対象となる売掛債権

売掛金債権

割賦販売代金債権

運送料債権

診療報酬債権

工事請負代金債権

その他の報酬債権

 

ポイント10 対象となる棚卸資産

中小企業が行う事業により生じ、または生じる予定のもので、かつ決算書に計上され、または計上される予定のもの

 

ポイント11 特約等で譲渡が禁止されている売掛債権

特約等で譲渡が禁止されている売掛債権は対象となりません。

ただし特約が解除できる場合

もしくは民法468条の異議なき承諾を得られる場合は対象とします。

また、棚卸資産については、動産譲渡登記ができないものは対象となりません。

 

ポイント12 未発生の売掛債権を引き当てる場合

未発生の売掛債権を引き当てる場合はより長い期間の選択も可能です。

※詳細は各保証協会に直接確認してください。

 

ポイント13 債権譲渡登記と動産譲渡登記

売掛債権または棚卸資産の譲渡を受けるにあたっては次の保全手続が必要となります。

 

〔売掛債権の場合〕

(1) 売掛先(取引先)の承諾を得る

(2) 売掛先(取引先)に通知する

(3) 売掛先(取引先)に登記する(債権譲渡登記)

 

〔棚卸資産の場合〕

棚卸資産を登記する(動産譲渡登記)

 

流動資産担保融資は借入であり、売掛債権買取とは趣旨が違う

この制度の画期的なところは、売掛債権は担保となりえる財産であるというところです。従来であれば不動産がなければ新たな資金調達は困難でした。

この制度では信用保証協会経由とはいえ、売掛債権や棚卸資産に対して担保を設定することが出来ます。

 

この制度とは別に売掛債権の譲渡(売却)による資金調達の方法がファクタリングです。この二つは売掛債権を有効利用するという点では似ていますが、利用する趣旨は違います。

 

流動資産担保融資はあくまで借入であり、返済しなければいけません。対してファクタリングは返済の必要はありません。ファクタリングは節税して貯金する目的で利用するものであり、似て非なるものなのです。

 

まとめ

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流動資産担保融資保証(ABL保証)制度はあくまでも短期借り入れの手段のひとつであり、ファクタリングの様に節税して貯金する目的で利用することは出来ません。それぞれの特性を生かした利用方法をするようにしましょう。

 

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