ファクタリングと流動資産担保融資制度の3つの決定的な違い

ファクタリングと売掛債権を担保にした融資制度はしばしば比較されますが、これらは、売掛債権を活用する資金調達方法という点では似ていますが、その狙いやメリットは全く異なるものです。専門家と呼ばれる士業の人たちの中にも、本質がわかっている方は少ないかもしれません。

それはファクタリングという言葉の中に変な先入観を持っているからかもしれません。流動資産担保融資制度の中の売掛債権を利用した場合との比較を通じて、正しい理解を深めていただければと思います。

流動資産担保融資制度(ABL保証)とは何か

(中小企業庁HPより抜粋)

【流動資産担保融資保証制度】

1.対象となる方

中小企業者(製造業では資本金3億円以下又は常時使用する従業員数300人以下の会社等)であれば、基本的にご利用いただけます(これまでの信用保証協会の利用者の範囲と同じです)。

2.支援内容

中小企業者が保有している在庫や売掛債権を担保として金融機関が融資を行う際、信用保証協会が債務保証を行う制度です。

本制度は「売掛金債権担保融資保証制度」を拡充したもので、従来担保対象資産が売掛債権に限定されていたところ、新たに在庫を対象資産に追加したものです(平成19年8月追加)。これに合わせて本制度の名称を「流動資産担保融資保証制度」と改称するとともに、運用改善も行っております。詳しくはこちら[PDF:86KB]をご覧下さい。

 

■保証限度額・保証割合

保証限度額 2億円

在庫のみ、売掛債権のみを担保として提供した場合でも保証限度額は2億円です。(両方を提供した場合も保証限度額は2億円です。)

保証割合 8割

本保証制度を活用して設定可能な借入限度額は2億5,000万円です。

■保証料率

年率0.68%

■担保条件

申込人の有する在庫・売掛債権を担保とします。法人代表者以外の保証人は徴求しません。

譲渡担保の保全のため、在庫の譲渡については動産譲渡登記制度に基づく登記が、売掛債権の譲渡については、 債権譲渡登記制度に基づく登記、 売掛先への通知、 売掛先の承諾のいずれかが必要です。

■保証期間

1年間(個別保証の場合は一年以内)

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3.ご利用方法

■保証申込み

金融機関を通じて申し込むことになります。 具体的な取引内容が確認できる資料(基本契約書等)などが必要となります。

 

《本保証制度の対象なりうる在庫》

商品仕入れによる在庫商品のほか、製造業における製品在庫などが該当します。また、仕掛品、半製品、原材料、貯蔵品なども該当します。

但し、決算書などに固定資産として計上される機械設備や車両運搬具などは該当しません。また、金融機関及び信用保証協会による管理・処分が実態上もしくは規制上困難な在庫については担保として不適格となります。

 

《本保証制度の対象となり得る売掛債権》

以下のような売掛債権のうち売掛先が事業者であるものが本保証制度における担保として利用可能です。

 

  • 売掛金債権
  • 割賦販売代金債権
  • 運送料債権
  • 診療報酬債権
  • その他の報酬債権
  • 工事請負代金債権など

 

譲渡禁止特約の付いた売掛債権は本制度の対象となりません。売掛先から解除承諾書の提出を受ける必要があります。

期中管理を行うため、金融機関に対して在庫や売掛債権の状況を定期的に報告することなどが求められます。

 

■借入形態・返済

担保となる在庫は価格が変動することや処分の際に必要なコストが発生するため、実際の在庫の価格のままで融資を受けられるわけではありません。また、売掛債権は売掛先が倒産するリスクなどがあるため、実際の売掛債権の額面のままの金額で借入れを受けられるわけではありません。

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/ryudo.htm

 

ファクタリングとの違いその1 借金になるかならないか

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流動資産担保融資制度(ABL保証)は読んで字のごとく、融資制度つまり借入(借金)です。対してファクタリングによる売掛債権の買取は借金ではありません。資産の部にある売掛金を現金化して、負債を減らしたり、買掛金を減らしたりしてオフバランス化を図るための財務戦略です。

 

ファクタリングとの違いその2 元本返済の有無

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借金かどうかの違いは、ずばり、返済が必要かどうかです。ファクタリングによる売掛債権の買取では返済は不要なため、借金ではないのです。

 

ファクタリングとの違いその3 税金コントロール

元本返済があるのとないのとでは、税金を支払う上で大きな違いが出てきます。元本返済は経費にならないため、純利益の中から返済しなければなりません。赤字にならないためには元本返済以上の純利益を出さなければならず、そのためには約同額の納税が必要になります。この税金を支払わなければ元本は減らないということです。

 

借入をするということのリスク

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借入は重要な財務戦略のひとつですが、大きな約束をすることになります。それは利益を上げてしっかりと納税をするということです。元本返済額以上の納税をしないと、会社にお金を貯めることは出来ないのです。

 

まとめ

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ファクタリングによる売掛債権の買取と流動資産担保融資の大きな違いは「借金か、そうでないか」です。売掛債権を売却(譲渡)するのか、担保にしてお金を借りるのかの違いです。この両者の違いはお金を貯める(内部留保を厚くする)上では真逆の効果をもたらすということがお分かりいただけたでしょうか。

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