中小企業が手形を使わない3つの理由

決済方法は時代と共に変わっていきます。その昔、経済は物々交換が主流でした。時代は貨幣経済に代わり、価値交換の手段、決済の手段としての貨幣が出てきて、貨幣の信用が高まり、盗難などのリスクが高まると、今度は手形などの金融機関を媒介した決済方法が生まれました。これにより、経済は加速したと思われます。

現代はビジネスのスピードはIT化と共にさらに加速しています。従来のやり方をただITに置き換えて行うというのは果たしてイノベーションと呼べるのでしょうか。

手形とは何か?

pexels-photo-87584

手形は後日の決済を約束した支払いの証書(証券)です。2社間の決済を約束したものが「約束手形」、3社間の決済を約束したものが「為替手形」ですが、為替手形はほとんど使用されていません。以下、為替手形の話は省きます。

手形は決済用口座を使用する必要があります。個人事業者と法人格を有している株式会社等の決済に使用する当座預金の口座開設が必要になります。金融機関に当座がないと発行はできませんが、受け取ることは出来ます。

受け取った場合、そのままでも期日まで待てば金融機関等で換金することが出来ますが、期日より前に金融機関等で手数料を支払い割引してもらうことで現金化することも出来ます。

 

小切手との違い

writing-notes-idea-conference

手形は後日の決済を約束した支払証書(証券)ですが、現金の代わりに使用する小切手は(ほぼ)即時決済の手段です。小切手の場合も当座預金の口座を開設する必要があります。小切手は現金決済(即時決済)の時に多額の現金を持ち歩くのは不用心だからという理由で使用されています。銀行振り込みに比べて、支払う側の手数料が安いのがメリットですが、受け取った方は現金化するには金融機関等へ行かねばならず不便です。

手形も小切手も金融機関へ持ち込まずに、別の支払いに使用することも出来ますが取引先によっては断られることもあります。

 

電子手形とは?

coffee-desk-laptop-notebook

電子手形は手形のメリット(裏書や割引によって早期に資金化できる)を生かし、デメリット(印紙税の負担、盗難・紛失のリスク、手渡しの手間)を解消するために電子記録債権法が2008年12月に施行され、実際の運用が2009年11月にスタートしています。

実際はいままで手形を利用していた企業にはメリットはあるかもしれませんが、新たに申し込む場合には通信環境やセキュリティの問題、手続きの煩雑さや担当者の育成など、課題も多く、中小企業には浸透していません。

一番の問題は振り出す側が受け取り側よりも強者である構造でないと成り立ちにくい点です。(元請から下請け、メーカーから部品会社など)受け取った方は割引するにしても金融機関との契約が必要になるため、よほどその取引先への依存度がないと受け入れにくく、慣例的に手形決済になっている業界でさえも手形解消への流れになっているのが現状です。

 

中小企業が手形を使わない理由1 金融機関への信用、担保が必要

pexels-photo-3

手形の割引を受けるにしても、金融機関の信用や担保を要求されることがあります。特に受け取り手は早く受け取りたい気持ちはありますが、資金に余裕がないと利用しづらく、中小企業には業界構造上断れない場合以外は使われていないのが現状です。

 

中小企業が手形を使わない理由2 物理的に手間がかかる

jigsaw-puzzle-1315356_640

業界の慣例と取引先との関係性で利用を余儀なくされる場合以外では、手形の利用は電子手形であっても手間がかかると言わざるを得ません。信頼できる担当者を育てる必要があり、人員に余裕のある大企業であれば問題はないかもしれません。

 

中小企業が手形を使わない理由3 支払い時に受け取ってもらえない

building-1128474_640

手形は出来れば換金せずにそのまま自社の支払いに回してしまいたいところですが、業界のピラミッド構造が強固な業界でない限り、手形の回し合いというのは連鎖倒産の引き金にもなりかねないので、中小企業同士で使うことは少なくなっています。新たな取引先の場合、よほどの力関係でない限り受け取ってもらえない可能性があります。

 

手形に代わる中小企業に有効な手段とは

planning-620299_640

とはいえ手形の機能のひとつである「割引」の機能は回収する側にとっては魅力的です。しかし、そのための設備投資、人材投資は出来れば避けたい。そんな場合にはファクタリングによる売掛債権の買取があります。手形というのは日本独特の制度であり、欧米ではファクタリングが本流です。

 

まとめ

a4-1238603_640

手形のメリットは割引によって早期に資金化できることです。しかしながら、その手間や時間は現代のスピードを重視した経営にはマッチしなくなってきています。

それに代わる手段として、欧米では古くからスタンダードであったファクタリングが注目されてきています。キャッシュフローを重視した経営で戦略的に資産の積上げを流動性の高い現金預金などで構築し、会社と従業員の生活を不測の事態からも守っていくには、ファクタリングを利用した売掛債権買取は手形を利用するよりも利便性が高いと言えるのではないでしょうか。

SNSでもご購読できます。

コメント

Comments are closed.